あなたに出逢えた
これでママは、幸せになれる。


「ママ、おめでとう。やったね」

私はママから離れて言った。



「……うん。ありがとう、栞菜のおかげよ」



もとはと言えば、私のせいで結婚するのにためらってたのに。




そんな笑顔で言われたら、出ていくなんて言えないじゃん……。一人で暮らすつもりだったのに……。



「私のせいだから。ママと宮野さんの結婚を邪魔しちゃったのは。だから、気にしないで?私、宮野呼んでくる」


私は逃げ出すように部屋を出た。



するとすぐそこに……

「宮野?いつからそこに?」



明らかに慌てた宮野がいた。


「い、今さっき。あまりにも遅いから、様子を見に来たんだ。そしたらお前がいきなり出てくるから……」



「驚いたってこと?」



宮野がうなずく。だから慌てたってこと?






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