あなたに出逢えた
「さて、俺も行くか……」


ソファーから立ち上がり軽く伸びをした俺は、若名達が待つリビングへと降りた。


正直、若名の態度はありがたい。俺をフった後でも変わらない態度で俺と話してくれている。

気まずいだろうし、顔を合わせるのだって辛いかもしれない。それでも、話してくれるんだから。



「あっ!宮野来たねっ!ママぁ!宮野が来たよー!」


キッチンの方に向かって大声で話す若名。
ま、そりゃそうだ。キッチンとここの間にドアがあるからな。



「分かったわぁ!もうすぐだから、座って待っててねぇ!」


美知子さんの声がして、親父が出てきた。


「瞬、お茶の用意しといてくれ。美知子さんっ!お茶は瞬が用意するから、いいから!」



親父まで、叫ぶ。


うるせぇ……。叫びすぎだっての。そんなにでけぇ声出さなくても聞こえてんだろ……。



「なぁに?聞こえなかったんだけど……」

「「えっ!」」



キッチンから、美知子さんが出てきた。




< 159 / 224 >

この作品をシェア

pagetop