あなたに出逢えた
「ごめんなさい。あなたのお母さんが車のハンドルをきったのは、私の子供を助けるためよ……。私の子供が飛び出したのを、あなたのお母さんが避けてくれて助けてくださったのよ。その代わり、あなたのお母さんが……」




私のママは、優しい人だ。飛び出してきても、きっと怒らなかっただろう。
良かったねってその子に言っただろう。


でも、じゃぁ、どうしてママは、あんな姿になってるの……?どうしてママが、あんなに血だらけで横たわってたの……?






「本当にごめんなさい……。私がちゃんと子供を見ていれば、こんなことには……」




「それってどういうことですか!?子供をきちんと見ていなかったってことですか……!?」



私は、ついきつく言ってしまった。でも、抑えられなかった。




「どうしてきちんと見ていてくれなかったんですかっ!?そのために、どうしてママが犠牲にならなくちゃいけないんですか!?どうしてっ!どうしてママがっ!」




「若名っ!」





その時、遠くから、私の大好きな声が聞こえた。





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