あなたに出逢えた
私は自分のは屋のソファーに座り、ママからの手紙をそっと開いた。


~大切な私の娘、栞菜へ~
栞菜がこの手紙を手にしたとき、きっと私はもういないのでしょうね。

小さなときに一人日本に残してごめんなさい。あなたからの電話をもらったときにとても後悔したわ。


でも、その時にはそれが一番だと思っていた。あなたが嫌いだったからではないの。あなたを愛していたから、だからおいていった。



慣れないところに小さな子を連れていくわけにはいかなかった。私は仕事で忙しくなってしまうし、近くに居ても一緒に遊んであげることができないと思ったの。


それに、あなたがすごく楽しそうだったから、私はあなたを置いていくことにしたの。


それが私にできることだと思ったから。



でも違ったわね。あなたはずっと寂しかった。それに気付けなかった。ごめんなさい。



学校から連絡が来たときに初めて知ったわ。あなたがイジメられていること。

あなたが私に言わなかったのは、きっと私にこれ以上の負担をかけたくないって思ったんじゃないかしら?私は、相談してほしかった。

でも、そうさせてしまったのは私なのよね。


本当にごめんなさい。


あなたには昔から辛い思いをさせてばかりいたわね。




私がいなくなった今。あなたはどうしているの?また一人になろうとしていない?周りに頼っていいのよ。今のあなたは一人じゃないでしょう?



大丈夫よ。絶対、大丈夫。




< 196 / 224 >

この作品をシェア

pagetop