あなたに出逢えた
【栞菜side】


誰もいない物音一つない部屋。





私の家には私以外の人間がいない。
そんな中で私はひとり朝食をとっていた。

若名 栞菜(わかな かんな)
自分の容姿に興味ない。
モデルのスカウトなんてどうだっていい。



両親は離婚していて、母子家庭。
母は、離婚してすぐに海外へ転勤していった。
もう長い間会っていない。
まあ、会いたいとも思わないが。



私は食べ終わったお皿を片付けて、カーテンを開けた。

「まぶしっ……」




窓から差し込む光に私は目を細める。
この光は何度浴びても慣れない。
私はカーテンを束ねると、自分の部屋へ向かう。







「……ふぅ。準備はいいかな」

私は制服に着替えて学校へ登校しようとするが

「やっぱり、嫌だ……」




私は人間が嫌いで、近づきたくない。
そうなったのは今通っている、『あおば高校』が原因だ。


正確には、そこに通うある人たちが原因だけど。


「……悩んでても、仕方ないかな」






私は、無理やり足を動かして、家を出た。
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