あなたに出逢えた
「お前が今どんな顔してるか、わかるか……?」




分からない。自分の表情も、どうして宮野がそんな苦しそうな顔をするのかも……。

宮野の腕の中で、私はゆっくり首を振る。

「わかんない……」


「お前、今、死にそうな顔してるんだ。お前の親友は、そんな顔してほしくなかったんじゃないのか?」




そうなのだろうか……。
確かに私の親友は、私のことをよく心配してくれていた。


些細なことにも気付いてくれた。







「…………そうなのかな?でも、そう思ってくれてるんじゃないかなって、そう思う……」



空は相変わらず青いまま。

さっきは真っ青でも、何とも感じなかったのに。


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