あなたに出逢えた
【栞菜side】
あれ?なんで私ソファなんかで寝てるんだろ……?

その時右手があたたかいことに気付いた。右側を見てみると、そこには、床に転がっている莉音がいた。


「莉音……」

そうだ。莉音が、私の話を聞いてくれたんだっけ。


私は、莉音がかけてくれたであろうタオルケットを莉音にかけて、ソファから降りた。



本当は莉音をソファに乗せたいけど、起こしてしまうだろうし、私の力では足りない。


「ありがとね、莉音。頑張るよ、私」

莉音に聞いてもらったおかげで心が軽くなったような気がする。


今、何時だろう……?

時計を見ると、七時半を過ぎていた。


「莉音の家に電話しとこっと」


私は、莉音のお母さんに今日は私の家に泊まるってことを伝えた。


「夕食、作ろうかな」

私はキッチンへ向かった。




「んっ……」

莉音の声だ。起きたのかな?そろそろ出来上がる頃だし。

「栞菜ぁ~……今何時?」

「八時前だよぉ」


「嘘っ!ヤバッ!家に連絡入れてないっ!」


「私が連絡しといたよ」


「ありがとぉ!って、なんかいい匂いする……」


その時、莉音のおなかがぐぅってなった。


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