あなたに出逢えた

「おはよっ!」
「あっ、おはよ~」


周りは朝からにぎやかだ。
でも、私は友達なんて作らないから朝から下校まで、ほとんどしゃべったことはない。





私は昇降口を過ぎてげた箱を開けた。

「……上靴、ない」



私は、まぁいつものことだからと気にせずにスリッパを借りに行った。






「若名さん、またですか……」
あからさまに嫌そうな顔をする担任。


「すみません」

私は一言謝ってリストに名前を書いた。




「じゃぁ、失礼しました」
「ちょっと待ちなさい」

私は先生に呼び止められた。


「はい?」
「何故そんなに忘れるの?」


なんでって言われても、忘れてるわけじゃないし……。

「すみません、上靴をなくしてしまたので、探しています」

先生は、顔をしかめて、

「まぁ、それなら仕方ないわね。早く見つかるといいのだけど」
「では、失礼します」


何とか先生から逃れることができた私は、教室へ向かった。
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