あなたに出逢えた
「若名さん。ちょっと来てくれる?」


いじめっ子のリーダーだ。珍しい。

いつもなら取り巻きがわたしを呼ぶのに。




今日はリーダー取り巻きの女子が6人?
こんなに多い人数で何の話だろう。


「なに?」
「いいから来てっ!」



私はおとなしくついていくことにした。




連れてこられた場所は体育倉庫裏。

普段は誰も近づかないような場所だ。




「……なんで、朝宮野君と話してたわけ?」
「朝にあいさつされたから」



されたなんて思ってない。
してもらったって思ってる。


とてもうれしかったんだから。
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