あなたに出逢えた
「……若名さん。一つ聞きたいの。あなたは、宮野君が好き?」


分からないんだ。でも、失いたくはない。



「分からないの。まだ、自分の気持ちが。……でも、いなくなっちゃうのは嫌……」


イジメっ子たちは私を取り囲むのをやめた。
何かを決めたようだった。




「私、河合莉音。今までごめんなさい」


河合さんは、丁寧に頭を下げて謝ってくれた。

涙を流しながら。


「みんな、私は若名さんと二人で話がしたい」






河合さんは、頭を下げながら、取り巻きたちに言った。



「莉音……。分かった。行くわよ」






一人が先頭に立ち、取り巻きたちは姿を消した。
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