あなたに出逢えた
「なに?」


河合は少し寂しそうな悲しそうな感じの目で俺に言った。




「今日、放課後に少し話したいことがあるので教室に残ってもらえませんか?」


今日はとくに用もない。

「あぁ、いいけど……」



その時、若名が一瞬すごく傷ついたような顔を見せた気がした。




「ありがとうございます。じゃぁ、私達はこれで失礼します。行こ、栞菜」






彼女はこくんと頷いて、河合に連れられて校舎の方へ去っていった。
< 42 / 224 >

この作品をシェア

pagetop