あなたに出逢えた
後ろから呼び止められた。



「はい?」



私が後ろを向いたら、校門にもたれかかっている莉音の取り巻きがいた。



「……っ!」


怖くなった。


莉音とは友達になったけど、この人たちとは何も話していない。




「大丈夫。何もしない。ただ、お礼が言いたかっただけなの」



お礼……?

言われるようなことをしただろうか。



「……莉音を変えてくれて、ありがとう。みんなずっと心配だったの」




この人たちはこの人たちなりに心配していたんだ……。





「あの時、もし莉音があなたに何かしたら、私達は莉音を見捨てていたかもしれないから」
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