あなたに出逢えた
私は、宮野に縋り付いたままただ泣いた。



「一人は嫌ぁ……。寂しいの、昔は平気だったのに……いまは怖くて寂しくて……」




宮野は、私の頭を優しくなでて「大丈夫、大丈夫だ……」って繰り返していた。




「宮野、私、宮野がいなくなっちゃうのは嫌……。宮野から離れるのも嫌だよぉ……」




ずっと嫌だった。
宮野から離れるのが。



「……私のこと、忘れちゃうんじゃっないかってっ。怖くなってっ!」



宮野は、私を抱きしめると耳元でささやいた。




「絶対に忘れない。俺は、お前を忘れたりしないよ。絶対に」




そういって、私をしっかり抱きしめていてくれた。



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