あなたに出逢えた
この気持ちとはお別れしなくちゃ。





……だって、迷惑なだけでしょう?





遠くに行っちゃう子から、告白されちゃって……。



「……宮野。私の話聞いてくれる?」




宮野は頷いて近くのベンチへと向かった。
私もあとにつづく。






私は、すぅーと息を吸って宮野を見た。



「……宮野、私はママのところに行くことにしたよ」


「……っ!」

宮野は驚いてるけど、やっぱりって顔をしていた。

「引っ越すのは新学期始まる前ぐらいするつもり。高校ももちろん海外の高校に通う。……だから、今までのことにお礼を言いたかったの。……ありがとう、宮野のおかげだよ」

宮野は優しく笑った。

「私が今生きていられることも、ママと話せたことも、友達ができたことも。全部宮野のおかげだよ。ありがとうっ」




私は、そう言い終えると走って家に帰った。



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