今日もまた果てない歯車の中で【短編】
「あら?また来たの?」
境内を抜けた所にある小さな小屋に、彼女はいた。
真っ白な肌、腰まである漆黒の髪。
華奢な肩に、曲線の目立つ体。
そして、桜色の唇に、アーモンド型の目。
僕の姿を姿を見るなり、彼女はあどけなさの残る双眸を細めて微笑んだ。
「もぉ、しょうがないなぁ君は。
ほら、おいでよ。
今お茶入れて上げる」
同じ歳くらいなのに、まるで小さい子供に接するような口調で、でも楽しそうにそう言うと、僕に背を向けて立ち上がった。