今日もまた果てない歯車の中で【短編】
彼女は優しかった。

災いなんて起きなかった。


むしろ、
僕には街の悪いものを全部彼女が引き受けて、その身に抱え込んでいるように思えた。


















「なんで君は僕に優しいんだい?」



「君は弱虫だから。
優しくしても君以外は誰も知らないままだから」




















そう言って、泣くように笑った。
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