上手く生きられない彼女
部長は心理学を勉強していた人で、
時々その心理テクニックを使って、胸に突き刺さる痛いことや、わざと怒らせるような事を言うことも あったけれど(人間は怒っている時に本性が出るらしい)、
そういう時の反応も含めて"私"を まるごと否定せずに居てくれたから、
"コントロールされてるなぁ~"という自覚も ありつつも、何でも話していた。
我に返って"全部 部長にコントロールされてる…"って思った瞬間、
教祖様的なものが思い浮かんで、ちょっと怖くなったりも したけれど。
でも どこかで、
そうやってコントロールされてる方が楽なのかも…って、楽な方に逃げる自分もいて、
そんな逃げる自分を責める自分とで闘って…何度も葛藤しながらも、
私は ずっと、部長の側に居た。
何度も葛藤した結果、部長の側に居る…部長の"支配下"に居る事を自分で選んだ
…気が している けれど、
それさえも結局は"部長が意図的に そうさせた"のかも、と思うと
やっぱり、怖い。
それは最初に会った時に感じた"怖い"とは別の種類だけれど、
それでも部長には、怖いという感情は抱き続けていたのだ と、思う。