ふたりでひとつ

橘邸。
橘家の長女・橘 芽衣 (タチバナ・メイ)ちゃんは
今日も朝から大寝坊。

「わぁー!!お母さんやばいやばい!!
電車乗り遅れちゃう!!」

「昨日夜更かししたからよ~」

と呑気に答える母。

芽衣はお皿にのっている
こんがりと焼けたトーストをとって、
食べながら準備をして、行こうと
思ったら足りないものに気がついた。

「あれ!?飛鳥は!?」

見渡してもいないし、かばんもない。

「玄関で待ってるわよ~」

「飛鳥めー…私を起こさないとは(笑)
あ、やばい!!遅刻だ!!いってきます!!」

「いってらっしゃぁーい♪」

芽衣はいそいでリビングをでた。

「きゃぁっ!!」

廊下の床で足が滑って
バランスを崩した。
…が、受け止めてくれた。

「っと、大丈夫??芽衣…ほんと危ないよ、
みてるこっちがハラハラする」

間一髪。
兄がいなければ顔面ヒットだった。
怖かったぁ~…

受け止めてくれたのは
双子だけど兄で
橘家の長男・橘飛鳥(タチバナ・アスカ)

「ありがと飛鳥」

てへへと頭をかいてみせる

「いいよいいよ」

と持ち前のスマイルで
にっこり笑ってくれる
優しい兄。
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