僕は悪にでもなる
悪
かずみさんの店がある路地裏の通りに入る最後の角を曲がった時
複数の男達に囲まれた。
「何」
何もいわない。みんな黙っている
「何の用ですか?」
「どんっ」
腹を下から突き上げ俺は殴られた。
久しぶりの感覚。久しぶりの苦しみ。
長い間愛につかっていた俺は、なかなか息を取り戻せず
とてつもない大きな恐怖を感じながら腹をかかえてしゃがみこんだ。
一人の男がカメラで殴られる俺を撮影している。
なんなんだ。一体誰なんだ。
肩がぶつかったわけでもない。
めんちをきったのでもない。
突然、複数の大男に囲まれ殴られる。
全く状況が理解できない。
憎しみや恨みなど感じる隙もない
ただ感じる恐怖。
「なんなんですか。何かしたなら謝ります。」
何も言わない。
何人かの男が両肩をつかみ、俺は殴られ、殴られ、殴られた。
感じるのは哀しみ。
やっとあったかい場所を見つけた。
やっと愛と共に、生きられた。
なのに、なのに、なぜ。
手に着いた垂れ落ちる俺の血をふきながら
殴りつかれた男が初めて口を開いた。
「もういい。いくぞ。」
倒れ込んだ俺。
とめどなく口から垂れ流れる血を味わいながら
空を見上げた。
なぜ。誰なんだ。
全く心当たりがない。なぜ殴られたのかわからない。
原因が分からず襲撃をうけた。
その状況に
嫌な予感がした。
計画的に襲撃されたようだ。
「もういい」
そう言い残した男。
これからも続きそうで、大きな悲劇の始まりかのように思えた。
俺はボロボロになった体を起こし、絶え間ない恐怖感と共に
かずみさんの店に飛び込んだ。
「どうしたの!?」
発狂するかずみさん。
「わからない」
かずみさんは俺の体を起こし、おしぼりで丁寧に垂れ流れる血をふいた。
「どこで、こんなに。。。」
「すぐそこの角で。」
「何かしたの?」
「何もしていない。それに何も言わずにただ殴られた。
まるで計画的に襲撃されたようだった。
それに何かこれからも続きそうに、もういい。それだけを言い残していなくなった」
やっと見つけたあったかい愛からまた離されて
悪の道に引きづり込まれそうで、とても悔しかった。
その悔しさからか、恐怖感からかとめどなく涙を流していた。
かずみさんは優しく僕を抱きかかえ頭を撫でる。
「まず、警察を呼ぶわ」
そう言って警察を呼んで店に入ってきた。
事情を聞かれるが、後の祭り。
何の解決にもならない。
男達の特徴を聞かれて帰って行った。
「きっと大丈夫。警察がどうにかしてくれるわ」
「うん。」
そう答えたが、どうにかしてくれるとは到底思えない。
金品もとらず、見覚えもない、何も口をせずにただ殴り
「もういい」
そう言い残し去った男達。
原因が全く分からない。
どこのどいつなのかもわからない。
「大丈夫。何かきっとわかるわ。そしてもうこんなことないわ。
安心して。悔しいけれど、恨んじゃいけないよ。
やっと見つけたんだから。あなたらしい毎日を。
憎しみを抱けばまた、苦しむのはあなたよ。
わかった?」
そう訴えかけてくるかずみさん。
俺はうなずいた。
「今日は一緒にかえりましょう。」
そういってかずみさんは店を締めて、一緒に帰ってくれた。
「ごはん。まだだよね?」
「はい。」
二人は途中でスーパーにより、家に着いた。
かずみさんは、早速手慣れた手つきでご飯の支度をはじめた。
俺はイスに座り、煙草に火を付ける。
煙の向こうに見えるのはたたただ感じる恐怖感。
また、悪の道にひきぢまれそうで。
おばちゃんのあったかい手料理は、その恐怖感を溶かしてくれる。
「今日は、もう寝なさい。どこにもだかけたらだめだよ」
そう言って、片づけを終え帰っていった。
痛む体を横に寝かせ布団をかぶった。
嫌な予感しかしない。
原因が知りたい。
原因がわからなければずっと続く。
どうすればわかる。
きっとくるまた襲撃。
それをまた受けるしかない。
そう考えながら眠りに着いた。
複数の男達に囲まれた。
「何」
何もいわない。みんな黙っている
「何の用ですか?」
「どんっ」
腹を下から突き上げ俺は殴られた。
久しぶりの感覚。久しぶりの苦しみ。
長い間愛につかっていた俺は、なかなか息を取り戻せず
とてつもない大きな恐怖を感じながら腹をかかえてしゃがみこんだ。
一人の男がカメラで殴られる俺を撮影している。
なんなんだ。一体誰なんだ。
肩がぶつかったわけでもない。
めんちをきったのでもない。
突然、複数の大男に囲まれ殴られる。
全く状況が理解できない。
憎しみや恨みなど感じる隙もない
ただ感じる恐怖。
「なんなんですか。何かしたなら謝ります。」
何も言わない。
何人かの男が両肩をつかみ、俺は殴られ、殴られ、殴られた。
感じるのは哀しみ。
やっとあったかい場所を見つけた。
やっと愛と共に、生きられた。
なのに、なのに、なぜ。
手に着いた垂れ落ちる俺の血をふきながら
殴りつかれた男が初めて口を開いた。
「もういい。いくぞ。」
倒れ込んだ俺。
とめどなく口から垂れ流れる血を味わいながら
空を見上げた。
なぜ。誰なんだ。
全く心当たりがない。なぜ殴られたのかわからない。
原因が分からず襲撃をうけた。
その状況に
嫌な予感がした。
計画的に襲撃されたようだ。
「もういい」
そう言い残した男。
これからも続きそうで、大きな悲劇の始まりかのように思えた。
俺はボロボロになった体を起こし、絶え間ない恐怖感と共に
かずみさんの店に飛び込んだ。
「どうしたの!?」
発狂するかずみさん。
「わからない」
かずみさんは俺の体を起こし、おしぼりで丁寧に垂れ流れる血をふいた。
「どこで、こんなに。。。」
「すぐそこの角で。」
「何かしたの?」
「何もしていない。それに何も言わずにただ殴られた。
まるで計画的に襲撃されたようだった。
それに何かこれからも続きそうに、もういい。それだけを言い残していなくなった」
やっと見つけたあったかい愛からまた離されて
悪の道に引きづり込まれそうで、とても悔しかった。
その悔しさからか、恐怖感からかとめどなく涙を流していた。
かずみさんは優しく僕を抱きかかえ頭を撫でる。
「まず、警察を呼ぶわ」
そう言って警察を呼んで店に入ってきた。
事情を聞かれるが、後の祭り。
何の解決にもならない。
男達の特徴を聞かれて帰って行った。
「きっと大丈夫。警察がどうにかしてくれるわ」
「うん。」
そう答えたが、どうにかしてくれるとは到底思えない。
金品もとらず、見覚えもない、何も口をせずにただ殴り
「もういい」
そう言い残し去った男達。
原因が全く分からない。
どこのどいつなのかもわからない。
「大丈夫。何かきっとわかるわ。そしてもうこんなことないわ。
安心して。悔しいけれど、恨んじゃいけないよ。
やっと見つけたんだから。あなたらしい毎日を。
憎しみを抱けばまた、苦しむのはあなたよ。
わかった?」
そう訴えかけてくるかずみさん。
俺はうなずいた。
「今日は一緒にかえりましょう。」
そういってかずみさんは店を締めて、一緒に帰ってくれた。
「ごはん。まだだよね?」
「はい。」
二人は途中でスーパーにより、家に着いた。
かずみさんは、早速手慣れた手つきでご飯の支度をはじめた。
俺はイスに座り、煙草に火を付ける。
煙の向こうに見えるのはたたただ感じる恐怖感。
また、悪の道にひきぢまれそうで。
おばちゃんのあったかい手料理は、その恐怖感を溶かしてくれる。
「今日は、もう寝なさい。どこにもだかけたらだめだよ」
そう言って、片づけを終え帰っていった。
痛む体を横に寝かせ布団をかぶった。
嫌な予感しかしない。
原因が知りたい。
原因がわからなければずっと続く。
どうすればわかる。
きっとくるまた襲撃。
それをまた受けるしかない。
そう考えながら眠りに着いた。