僕は悪にでもなる
恋
「幸一君ね?」
「え。そうだけど。」
「直樹君から全部聞いているわ。また今日もあの場所にいってたの?」
「直樹が!?君が雪美の妹」
「そうよ。私は、虹美」
何と言うか、初めて会ったように思えない
ずっとずっと昔から自分を見守ってくれていたような
懐かしい瞳。
空実がそのまま大人になったかのように
悪のかけらもない透き通ったまんまるの瞳。
優しく儚い声。
真っ白な肌に、うるおしく揺れる長い髪
美しい。
心がドキッとした。
どこか儚く、消えてなくなりそうな美しさ
何とも言えない感情が芽生える。
優しさと儚さと美しさ。
心がおいおいと泣く。
「もういかないで。」
「でもいかなくちゃ何もわからない」
「わからなくたっていいじゃん。
ここに来たのは、愛に飢えたからでしょ。
本当はずっとここにいたいんでしょ。」
虹美の声は力づよく心に響き渡る。
「中にはいりましょ。空美が喜ぶわ」
そして部屋のドアをあけた。
にっこりとほほ笑んだ空美が俺の方に向かって走ってきた。
「幸一―!」
俺は抱きしめた。
幸せの温もりを感じる。
「今までどこにいってたの?」
小さな口をとがらせ、小さなほほを膨らませた。
「ごめんね。ちょっと仕事が忙しくてね」
「また転んだの」
俺の顔を見て空美が言う。
「よく転ぶんだ。これからは気を付けるよ」
にっこりとほほ笑み空美に伝えた。
そんな二人のやりとりを優しい表情を受けべながら眺めていた。
そして三人で時を過ごして。
虹美が空美を眺める優しい顔。
なげかける優しい言葉と聞こえてくる声。
心がずきずきと動く。
愛おしい。今、俺、ここにいるのに、ここがとても恋しく感じた。
ずっとここに居たい。ずっとこの愛に触れていたい。
心がおいおいと泣く。
それから俺は向けられた悪など忘れ、毎日毎日仕事を終えてはここに向かう。
ここが恋しくて恋しくて離れられない。
今日も優しい時を3人で過ごしていると、
虹美が話しかけてきた。
「明日、雪美が休みだから二人で飲みにでも行かない?」
「え。。。あーー。行こう!」
驚いた。
俺は、知らぬ間に虹美に恋をしていた。
虹美が空美にむける愛、それにずっと触れていたいと思っていた。
だが、ここから眺めているのが今の俺にとって丁度良かった。
向けられる悪。それがあるかぎり、これ以上近づきたくなかった。
でも声をかけられた瞬間、そんな自制心などぶっ飛んでしまった。
そして二人は夜街へ。
居酒屋に入り、二人だけの空間。
虹美は下を向いて少し照れている。
アルコールが入り、二人の距離がどんどん近付いていく。
赤くほてった虹美の顔がかわいくてしかたなかった。
言葉が弾み、会話が盛り上がる。
二人だけの楽しい時間がすばやく過ぎていく。
店をでて、2件目はバーに行った。
すっかりと酔いが回っていた。
たびたび触れる虹美の肌。
心地いい。
優しい。
俺は、酔った勢いか虹美の肩を抱いた。
細い体。伝わる儚さ。
もっと強く、もっと強く、抱きしめたかった。
虹美は抵抗せずその弱々しい小さな体を俺に身を任せる。
俺は勇気を振り絞った。
肩にかけた手を内に引き、顎を優しく包みキスをした。
こちびるから伝わる恋しさ。
キスを終え、少し離れて虹美の顔を見ると恥ずかしそうに下を向いていた。
「虹美。付き合おう」
言ってしまった。
「うん」
虹美は小さくうなずいた。
もうこの恋を止めることができなかった。
恋が愛に変わりつつあった。
二人はのみなおし、また会話が弾む。
マイクを手に歌を歌う虹美。
優しく浸みわたる美しい歌声。
俺はそっと後ろから虹美を抱いて、背中に鼻をつけた。
香る虹美の匂い。
ずっとずっと一緒に居たい。
そう心から思った。
そして二人は手をつないで家路をたどった。
それからずっと長く、仕事を終えては虹美と一緒に空美の面倒を見て
優しい時間を過ごした。
ある日いつものように空美に向ける虹美の優しい瞳。
それを見ていると、虹美にいつかわが子にもその瞳を向けてほしい。
その優しい表情を浮かべてほしい。
それをずっとずっと見ていていたい。
そんな夢をもった。
それがかなうのならどんな労働だって耐えられる。
ずっとずっと守っていきたい。
でも、俺にはやっぱり。。。
ふと向けられていた悪が気にかかる。
家族になりたい、そんな夢を抱いたせいか
急にその悪へ、とてつもない危機感を抱いた。
俺は立ちあがった!
「え。そうだけど。」
「直樹君から全部聞いているわ。また今日もあの場所にいってたの?」
「直樹が!?君が雪美の妹」
「そうよ。私は、虹美」
何と言うか、初めて会ったように思えない
ずっとずっと昔から自分を見守ってくれていたような
懐かしい瞳。
空実がそのまま大人になったかのように
悪のかけらもない透き通ったまんまるの瞳。
優しく儚い声。
真っ白な肌に、うるおしく揺れる長い髪
美しい。
心がドキッとした。
どこか儚く、消えてなくなりそうな美しさ
何とも言えない感情が芽生える。
優しさと儚さと美しさ。
心がおいおいと泣く。
「もういかないで。」
「でもいかなくちゃ何もわからない」
「わからなくたっていいじゃん。
ここに来たのは、愛に飢えたからでしょ。
本当はずっとここにいたいんでしょ。」
虹美の声は力づよく心に響き渡る。
「中にはいりましょ。空美が喜ぶわ」
そして部屋のドアをあけた。
にっこりとほほ笑んだ空美が俺の方に向かって走ってきた。
「幸一―!」
俺は抱きしめた。
幸せの温もりを感じる。
「今までどこにいってたの?」
小さな口をとがらせ、小さなほほを膨らませた。
「ごめんね。ちょっと仕事が忙しくてね」
「また転んだの」
俺の顔を見て空美が言う。
「よく転ぶんだ。これからは気を付けるよ」
にっこりとほほ笑み空美に伝えた。
そんな二人のやりとりを優しい表情を受けべながら眺めていた。
そして三人で時を過ごして。
虹美が空美を眺める優しい顔。
なげかける優しい言葉と聞こえてくる声。
心がずきずきと動く。
愛おしい。今、俺、ここにいるのに、ここがとても恋しく感じた。
ずっとここに居たい。ずっとこの愛に触れていたい。
心がおいおいと泣く。
それから俺は向けられた悪など忘れ、毎日毎日仕事を終えてはここに向かう。
ここが恋しくて恋しくて離れられない。
今日も優しい時を3人で過ごしていると、
虹美が話しかけてきた。
「明日、雪美が休みだから二人で飲みにでも行かない?」
「え。。。あーー。行こう!」
驚いた。
俺は、知らぬ間に虹美に恋をしていた。
虹美が空美にむける愛、それにずっと触れていたいと思っていた。
だが、ここから眺めているのが今の俺にとって丁度良かった。
向けられる悪。それがあるかぎり、これ以上近づきたくなかった。
でも声をかけられた瞬間、そんな自制心などぶっ飛んでしまった。
そして二人は夜街へ。
居酒屋に入り、二人だけの空間。
虹美は下を向いて少し照れている。
アルコールが入り、二人の距離がどんどん近付いていく。
赤くほてった虹美の顔がかわいくてしかたなかった。
言葉が弾み、会話が盛り上がる。
二人だけの楽しい時間がすばやく過ぎていく。
店をでて、2件目はバーに行った。
すっかりと酔いが回っていた。
たびたび触れる虹美の肌。
心地いい。
優しい。
俺は、酔った勢いか虹美の肩を抱いた。
細い体。伝わる儚さ。
もっと強く、もっと強く、抱きしめたかった。
虹美は抵抗せずその弱々しい小さな体を俺に身を任せる。
俺は勇気を振り絞った。
肩にかけた手を内に引き、顎を優しく包みキスをした。
こちびるから伝わる恋しさ。
キスを終え、少し離れて虹美の顔を見ると恥ずかしそうに下を向いていた。
「虹美。付き合おう」
言ってしまった。
「うん」
虹美は小さくうなずいた。
もうこの恋を止めることができなかった。
恋が愛に変わりつつあった。
二人はのみなおし、また会話が弾む。
マイクを手に歌を歌う虹美。
優しく浸みわたる美しい歌声。
俺はそっと後ろから虹美を抱いて、背中に鼻をつけた。
香る虹美の匂い。
ずっとずっと一緒に居たい。
そう心から思った。
そして二人は手をつないで家路をたどった。
それからずっと長く、仕事を終えては虹美と一緒に空美の面倒を見て
優しい時間を過ごした。
ある日いつものように空美に向ける虹美の優しい瞳。
それを見ていると、虹美にいつかわが子にもその瞳を向けてほしい。
その優しい表情を浮かべてほしい。
それをずっとずっと見ていていたい。
そんな夢をもった。
それがかなうのならどんな労働だって耐えられる。
ずっとずっと守っていきたい。
でも、俺にはやっぱり。。。
ふと向けられていた悪が気にかかる。
家族になりたい、そんな夢を抱いたせいか
急にその悪へ、とてつもない危機感を抱いた。
俺は立ちあがった!