Sweet Christmas Eve♪



「こらぁ~朝夏―!!」

「は、はい?」

いきなりドアが開いたかと思うと我が恋人殿が怒鳴っている。

「お前スマホなんで取らへんねん?さっきから何回も鳴らしとるんやけど。もしかしてわざとシカトしてんのか?」

「は、はぁ?シカトなんて」

滅相もない。

てか

「先輩、次の取材先で」

現地集合の約束だったと思うんだけど。

「朝一の取材がはよ済んださかいに次の取材時間を早めよ思って何回も掛けてんのにお前でえへんさかいに。戻ってみたら平和な顔して弁当食うてるし」

「……」

はい、取材前にお昼食べてました。

「ハハハ…片平は朝夏が電話にでえへんさかいに何かあったんかと心配して戻ってきたんやな」

えっ?そうなの。

「へ、編集長、お、俺は別に心配なんか」

編集長の一言に先輩が少し、ほんの少しだけ赤くなったような。

「先輩、心配かけてすみません」

「そやから心配なんか」

「で、朝夏スマホどうしたんや?」

あ、そうでした。

ポケットに…

な、ない!

えっ?

慌ててバッグの中を引っ掻き回して探すんだけど…

デスクの引き出しにも…

「ないんか?もしかして家」

「いえ、家から持って出ました」

朝一の取材先と連絡してたもん。

「何が『いえ、家から』やねん。下手な洒落」

「洒落とちゃいます」

こんな時に洒落なんかよう言いません。




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