いちご
その命令を破ると、暗い暗い部屋に閉じ込められてしまいます。

だからみんな、一生懸命、人間と話さないようにしました。


それでもたまに、人間と話してしまったとき――――――



犬は「もう一度チャンスを下さい!」

と言い泣き続けました。

ワン、ワン、ワン。

もう一回、もう一回。




のんびり屋だった猫は、人間に捕まらないように、毎日走り続けたので、逃げ足が早くなりました。


植物達は、最後まで人間に訴えかけました。

「お願いだから、自分達の事ばかり考えないで?きっといつか後悔してしまうよ?」


人間は口うるさい植物を、切ってしまいました。


その度に植物は、自分の分身を風に乗せて世界中にばらまきました。
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