可憐な日々
また授業が終わると、

そそくさと、ボロ木造アパートに帰った。

制服を脱ぎ捨て、急いでお風呂に入る。

「お風呂だけが…贅沢だよ」



ご飯は、1人分の為、

昨日のつくり置きを、チンして食べる。

おかずも、大したものはない。

小学校の頃は、

給食があったから、栄養はとれていたし、

母親がいたから、

晩御飯も、仕方なく作っていた。

今は…。

「邪魔くさい」

お風呂から上がり、髪を乾かしながら、可憐は思った。

「いつまでも、コンビニで買ってたら…高くつくし…。かといって、1人分つくるのもなあ〜」

食卓に座り、ご飯を食べながら、

さっさと宿題をすます。

時間がない。

「大体〜大したものを食べずに、ここまで、成長したんだから…」

食べ終わった食器を、キッチンに運び、

「生きていける!」

洗い終わる頃には、もう出勤の時間だ。

今日は、なぜか…ど派手な母親のおさがりに着替え、

母親の化粧品をバックに詰め込むと、

可憐は、深々と帽子をかぶり、

そおっと、家を出た。


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