可憐な日々
慌てて、

「18で〜す」

言い直したけど…。


「え!」

今度は、お客が声を上げ…もう一度、顔を近づけ、

首を捻った。


(ばれた!)

心の中で叫び、可憐の表情が強張る。

愛想笑いを浮かべても、顔が引きつった。

(うそだろ〜早過ぎるよ)

でも、自分で言ってしまったから…同情はできない。

可憐の脳裏に、

補導され、警察に連行される自分が浮かぶ。

(あたしは…騙されたんだあ!)

叫んでも、誰も助けてくれない。

可憐の人生は、終わった。

心の中で、裁判所の法廷に立つ自分が、浮かんだ。

(あたしは、無実です)

泣き叫ぶ可憐に、裁判官が告げる。

「絶対、嘘だ」

トンカチみたいなので、激しく叩く。

有罪。

可憐は、人生を滑り落ちていく。

「絶対、嘘だな」

可憐は、観念した。

もう認めよう。

真実を認めて、せめて、

来世は頑張ろう。

「はい。嘘です」

(短かった…あたしの人生…。さよなら…ビール…)

可憐は、おかわりをしたかったグラスを、大理石のテーブルの上に置いた。

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