可憐な日々
父親は、生まれたばかりのあたしと、母親を捨てた。

当時、店に働いていた女の人と不倫し、

あたし達を捨てたのだ。

名刺を眺めながら、

あたしは、悩んでいた。

父には、会ったことがない。

頼る気にもならない。

あたしは、名刺を手に取り、

破り捨てることに決めた。

大体、あたしが今まで、苦労してるのは…

母親が酒に溺れ、肝臓をやられたのも…。

あたしは、手を止めた。

やがて、

ワナワナと手が震えてきた。

「あいつのせいじゃないかあ!」

あたしは、叫んだ。

そうよ。

これまでの苦労の恨み…

「はらさずにおくものか!!」




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