可憐な日々
「土田さん!」

(うるさいな…)

「土田さん!!」

(うるさいな)

「土田さあああん!!」

いきなり、耳元で大声で叫ばれて、

女の子は飛び起きた。

「はい!おかわりですね」

席を立った土田に、

クラスメイトから、笑いが沸き起こる。


「え?」

まだ寝ぼけながら、周りを見回すと、

「学校…」

ぼけっと呟いた土田に、

前立つ女教師は、溜め息をついた。

「…義務教育だから…おちこぼれないからといって…授業中、寝ていいわけではありませんから」

教師は、もう一度溜め息をつくと、前に戻っていった。

(そうか…あたし…)

あたしこと――土田可憐は、まだ義務教育途中の中学二年生だ。

(昼間はね)

そして、夜は…

No.22 カレンとして、

ラウンジ 華憐で働いているのだ。




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