可憐な日々
「そうだ!お前は、いらない!」

ホールに向けて、美紀と理沙は、指を差した。


「まあ〜そういうわけでさ〜」

美紀は、可憐に寄りかかり、

「さみしい〜あたし達の為にさあ!コンパやろうぜえ」

理沙が、腕を取る。

「毎日…おっさんばっかり、相手にしてさ!」

「お前〜不細工だなってな!おい!てめえの顔は、人間でもないだろがあ!」

「指名してやってるだと!こちとらに、入ってくる指名バックは、たかがしれてるんだよ!」

「偉そうにするんだったらな!指名延長しろ!延長!」

「それで!ドリンク頼め!ドリンクを!」

「ボトルいれろ!ボトル!」

「そして、おわったら〜」

二人は声をそろえて、

「さっさと帰れ!」

またホールの方を指差した。


「はあ〜」

そんな二人を通路に残して、可憐は更衣室に入った。


数分後、着替えて、更衣室を出た可憐に、

美紀が一言。

「もうメール送ったから」


「早!」

驚く可憐の耳に、携帯の着信音が聞こえた。

美紀は、携帯を取出し、

「OKだってさ」

「今、あの男…仕事中じゃないの?」

目を丸くする可憐に、

「来週…の頭だ!」

美紀が告げた。

「早!」

携帯をしまった美紀と、理沙は、可憐に拳を突き出して、

「というわけで……よ、ろ、し、く」

と言うと、二人で拳を合わせた。

「ははは…」

可憐は、笑うしかなかった。
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