可憐な日々
「…というわけで、乾杯!」

美紀と理沙……ウェイターの安田と他三人は、ビールで乾杯をした。

「早っ!」

時が経つのは早い。

和風居酒屋の個室を貸し切って、可憐達はコンパに参加していた。

ぐっと美紀は、ビールを一気すると、男から歓声が上がる。

愛想笑いを浮かべた美紀は、理沙と振り返る。

「おい……どうなってるんだ…」

ちらっと、テーブル向こうの男達を見る。

「知らないわよ!噂ではイケメン揃いだって…」

ひそひそと、理沙と美紀は話をする。

「どこがだ…。あれは、ラーメン、つけ麺…の世界だろがあ」

軽く切れている美紀。

その間も、顔には怒りを出さない。

「仕方がない…」

美紀はビールを掲げ、注文ボタンを押す。

「作戦IKNだ」

美紀の言葉に、理沙は頷き、すぐに笑顔を浮かべて、接客トークを始める。

「お二人は、どこからこられたんですか?」

美紀と理沙は、声をあわせる。

作戦IKN…つまり、嫌な客は、飲んでやり過ごすである。



数分後、ただ…空ビンとグラスだけが、テーブルに並んだ。

そして、可憐もまた…いつのまにか飲んでいた。

おいしいとは、思ってないけど…仕事じゃないと思って飲んでると、

すぐに酔ってしまった。


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