可憐な日々
今日も夜は、仕事だ。

眠気を抑えながら、仕方なく授業を受ける。

もともと、可憐は背も168あり、雰囲気も体も、大人びていたから、

小学校の頃から、高校生に間違われていた。

(多分…苦労のせいよ。このままいったら…二十歳くらいは、どうなっているのか…)

電車の中とかで、おっさんに、いやらしい目つきで見られることにも、

もう慣れた。



履歴書は、親戚のお姉ちゃんの名前とかを、勝手に拝借した。

源氏名を、本名にしたのは…

逆に、それの方が、バレにくいと思ったし、自然に会話してると…

絶対、本名を言いそうだから…。

だったら、いっそのこと、可憐で。

名札は、カタカナだけど。

それに、バレてもいいと思っていた。

未成年を、それも

中学生を働かせていたとなれば…

父の店は、大変なことになるはずだ。

生活費を稼ぎながら、

復讐にもなる。


眠い目をこすりながら、

可憐の復讐と、

今まで経験したことのない、日々が始まったのだ。

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