可憐な日々
サキに続いて、ホールに出た可憐は、

店の雰囲気に圧倒された。

話すとかそんなのではない。

体を触り…ただ女に触り、お金分のもとを取ろうとする男達。

女はバックがあるから、ドリンクなどを頼みまくる。

どちらも、金だ。

「可憐も、飲め!」

下着姿になっている理沙が、乾杯を求めてきた。



可憐は、気分がのらなかった。

途中参加だから、テンションがついていけないではなく、

サキの言葉が気になった。


(あなたも、華憐を捨てたのよ)



(あたしも…捨てたの?)

松崎に言い放った言葉を、思い出していた。



女の殆んどが、ここにいる。


(華憐は…)




「ねえ〜。君は脱がないのかい?」

酔っ払ったお客が、可憐に抱きつき、無理やり服を脱がそうとした。


その時、


数人の男が、店内に飛び込んできた。

「動くな!」

一番に来た黒服の男は、上着のポケットから、手帳を取出し、ホール内に向けた。

「警察だ!風営法の違反で、検挙する」


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