唯一の純愛
コンタクトを試みるも、中々その後が繋がらない。
こちらに興味を示さない者には、粘ったところで暖簾に腕押し。
早めに切り上げるのが得策。

そうやって何人かとやり取りをしていると、好感触な人物に行き当たった。

妻である。

私自身、サークルとは関係なしに妻に興味を持った。
何気ないやり取りを重ね、サイトの上手な使い方を教えたりした。

もっと彼女と話したい。
彼女と会ってみたい。
そう思うようになるに、さしたる時間はかからなかった。
意を決し、オフ会の事を切り出してみる。

渋る妻。
流石に何処の誰とも知れぬ男と、いきなりカラオケというのは抵抗があるのだろう。

ましてや、旦那の裏切りや死を経験してきた彼女だ。
人一倍の警戒があっただろう。

そんな事情など、知るよしもなかった私は、かなり強引に彼女を誘った。
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