唯一の純愛
日課であった深夜の散歩の際、妻はよくこの頃の話をしていました。

いつも沢山の感謝の言葉を添えて。

辛い経験の後の出逢いでしたので、思い入れが強かったのかも知れません。

この話題になると、私は罪悪感に苛まれます。

ひたむきな妻に対し、最後まで悩み続けていた事を、私は申し訳なく思っていました。

きっと妻は、そんな私の気持ちなどお見通しだったと思います。

ある日、妻がこんな事を言っていました。
私と子供の事を真剣に考えてくれたから悩んだんやろ?
だから私は悩んでもらえて嬉しい。

今思い出しても涙が溢れます。

私の気持ちを理解してくれ、その上で全てを包み込んでくれた。
そう思える言葉でした。

だからこそ妻は、私の罪悪感を包み込むように、沢山のありがとうをくれたのだと思います。
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