唯一の純愛

私は相変わらず毎日泣いております。
妻が亡くなって今日で21日。
毎日欠かさず散歩に出かけ、毎日欠かさず泣いています。

後悔の言葉、感謝の言葉、色んな言葉を妻に語りかけながら、毎日歩いております。

妻がいれば他に何もいらない。
そう考えていた私には、話を聞いてくれる友人や、支えてくれる人もいません。

ただ唯一、妻の幼なじみだけが、私の話し相手になってくれます。
きっと、妻が私に残してくれた宝物なのでしょう。

彼女には彼女の家庭がありますので、あまり甘えてはいけないとは思っているのですが、私よりも遥かに長い時間、妻を見てきた彼女の言葉は、まるで妻の言葉のように私の心に響きます。

彼女がいなければ、私はとっくに自ら命を絶っていたでしょう。

実際、私は今でも、常に遺書を持ち歩いています。

踏み切りを見ると飛び込みたくなります。
高い建物を見ると飛び降りたくなります。
薬を見ると飲み干したくなります。
紐を見ると首を吊りたくなります。
一人でいると死にたくなります。

それでも今日まで踏ん張ってこられたのは、妻の代弁者たる彼女の存在あればこそです。

彼女もまた、妻が生きた証なのだと思います。

この場を借りて
ありがとう。
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