好きです。
最悪の予想はしていた。



「俺、教師辞めます…」

「いいのか?…生徒からも慕われているお前が辞めたら…」

「…生徒よりも大事と思える存在を見つけてしまった俺は教師失格ですから…」

「…お前の気持もわからなくない。でも、もっと冷静に考えなさい」

「はい…」

「文化祭が終わるまでに決めなさい」

「わかりました。失礼します」




どんな結果になってもいいように、

今で一緒に頑張ってきた生徒に謝ってこよう。


そう思い、これから演劇をする講堂へ足を進めた。



みんな 怒ってるだろうな。

俺…これからどうしたら……。


講堂の扉に手をかけた。


「ケイちゃん先生!どこに行ってたんだよ!」

「え…」

「もうすぐ本番だぞ!早く準備して!」


みんなの様子が、

いつもと変わってない…

まだ、何も知らないから…?


いや、あれだけの騒ぎで気づかないわけがない。


「でも…」

「あ、そうそう。葉月と付き合ってたことなんで言わなかったんだよ!」

「そーだよ!僕らの間に隠し事はなしだよ」

「…悪かった」


やっぱ気づいてた。

申し訳なくて頭が上がらない。


「…よかったね、ケイちゃん先生」

「え、お前ら…」

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