らぶ♂ちょい
「一旦、前年実績指数を出した後、天気指数や競合状況、それからうちの部署の販促企画も勘案しなければ、日割予算の精度を上げることは無理だ」
「はい……」
……む、難しい。
競合店リスト、昨年の天気、いろいろなファイルが次々と開かれて、西野さんの口からは私の許容範囲を超える膨大な量の情報が飛び出してくる。
一度にそんなにたくさん言われても、最初に取り込んだ言葉は、どんどん私の記憶回路から零れ落ちていくばかり。
えっと、まずは前年実績指数。
それから……天気、だっけ?
あとは……うーん?
「コトリちゃん、俺の話聞いてる?」
微動だに出来なくなった私の顔を、それはもう間近で見つめる。