らぶ♂ちょい
「はい、ナナの分も買って来たわよ」
京香が日替わりランチのトレーを私の前に差し出してくれた。
「わ、ありがとう!」
優しいなぁ、京香は。
どこかの誰かさんとは、大違いだ。
それが誰なのかは、言わずとも分かるだろうけど。
「でも、西野さんと二人きりで残業なんて、ちょっとドキドキしない?」
「そんな甘い空気なんて、一切ないわよ。おちょくられるばかりだし」
何かって言えば、どっちがいい? って、選択権のないものを並べるんだから。
口を尖らせる私に、京香と真佐美が揃ってクスっと笑みを漏らした。
「……何?」
「ううん、西野さんにからかわれて、ナナも結構喜んでるんじゃない?」