らぶ♂ちょい

お互いに拳を突き出して、コツンとぶつけ合う。

それがいつもの挨拶らしい。


この店で会うということは、早苗さんと同じく、西野さんの同級生なのかな。


「仕事の調子はどうだ?」

「ボチボチだな」


他愛のないやり取りで、近況報告を一通り終えると、私に視線が注がれた。


慌てて会釈を返すと


「……あ、彼女か?」


西野さんに伺いを立てる。

彼女だなんて、滅相もない。

隣で小さく首を振る私。


「あ、まぁ……俺はそう思いたいんだけどね」


――え!?

< 39 / 71 >

この作品をシェア

pagetop