らぶ♂ちょい
躊躇うことなく伸ばされた右手。
――わっ!
突然の動作に身動きが取れなくて、西野さんの手が額に触れた。
ヒヤっとするほどの冷たさ。
「……ちょっと熱い気もするけど」
それはきっと、西野さんが触れているから。
体温だって上がるに決まってる。
「だ、大丈夫ですから」
やんわりとその手をどけて、到着したエレベーターに乗り込んだ。
この時間のエレベーターは、いつでも満員御礼で、今日も隙間もないほどにぎゅうぎゅう詰めだった。
乗り込んだ態勢が悪かったらしく、どういうわけか西野さんと向かい合っている私。