らぶ♂ちょい

……あ、ああ、仕事の話ね。


あらぬ方へ意識が飛んでいたせいで、つい仕事が頭から消えていた。


デートか何かの約束と勘違いするなんて、私もよっぽど重傷だ。


「はい、分かりました」


きちんと目も見られないまま返事をして、ロッカールームの扉を閉めた。



「あらら、今日も頬をピンクに染めちゃって」


――えっ、そんなに赤い?

思わず自分の頬に触れる。


「また朝から西野さんとじゃれ合ってきたの?」


真佐美が私を肘で小突く。


「ち、違うってば、そんなんじゃないわよ」

「えー? あやしー」

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