らぶ♂ちょい
こんな風に、私を高みへと引っ張っていってくれる人は初めてだ。
今まで好きになった男の人とは、いつも中途半端な恋心だけで動いていて、目標を持って何かを頑張るなんてことはなかったから。
何となく付き合って、結果振られて。
その繰り返し。
自分を高められるような、ちゃんとした恋なんて、してこなかったのかもしれない。
「コトリちゃん、手」
西野さんが拳を握って私へ突き出す。
「はい? ――あ、はい」
なんだか照れ臭い。
私も拳を握って、コツンと西野さんとぶつけ合った。