らぶ♂ちょい

「小鳥遊とは、そういう関係じゃない」


――え。


西野さんのキッパリとした強い口調。

その言葉が何を意味しているのかということくらい、私にだって簡単に分かってしまった。


何度も「本当に?」と問い掛ける千里さんに、「違う」と繰り返す西野さん。


ズキンと胸の奥が痛んだ。


千里さんだけじゃない。
ヨリを戻そうとしていたのは、西野さんも同じだったんだ。


いつだって私をからかうようにしていたことも。

ミーティングルームを出て、千里さんと鉢合わせした時も。


全ては、千里さんの気を引くためだったのかもしれない。


私に対して思わせぶりな態度を取ったのは、より上手な演出をするため。

そしてそれは、大成功を収めたということなんだ。

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