らぶ♂ちょい
ノックも煩わしくて、勢い良く開けたミーティングルームの扉。
西野さんは既に座って、パソコンと睨めっこをしていた。
「コトリちゃん、最後にこのファイルを保存するとき、書き込みパスワードを設定しなかったのか?」
「えっ……したはずですが……」
それでも記憶は曖昧で。
改ざんされているということは、パスが掛かっていなかったという可能性が高い。
「くそ~、バックアップを取っておくべきだったな」
「すみません、私のミスです……」
「いや、俺も忘れてたから。とりあえず、一つずつ直すしかないな。コトリちゃんは、天気指数のところを修正してくれ」
「はい、分かりました」
初めてやり遂げられそうな仕事だから。
余計なことに気を取られてなんていられない。
西野さんと並んで、それぞれのファイルに修正をかけていった。