らぶ♂ちょい

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「よし、だいたいこんなところだろう。そっちはどう?」

「はい、私の方も何とか元に戻せました」

「ふぅ……お疲れ、だな」


大きく息を吐き、西野さんが立ち上がった。


「腹も減ったし、早苗の店にでも行くか」

「私はちょっと……」

「都合悪い?」

「あ、えっと……デートです、デート」

「……デート?」


西野さんのことを何とも思っていないということをアピールするには、一番ピッタリな断り文句だから。

私にだって、見栄を張りたい時がある。


「それじゃ、お疲れさまでした」


顔も見ずに、そそくさと荷物をまとめると

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