らぶ♂ちょい
不意にいたずら心が芽生えた。
毎朝、西野さんにされ続けて来たから。
今度は、私の番だ。
トントンと肩先を右手で叩き、西野さんが顔をほんの少し私へ向けると同時に、その頬へ指を突き刺した。
「……何の真似だ」
「これまでの仕返しです」
憮然とした表情の西野さんに、ふふふと微笑み返すと
「俺に仕返しとは、いい度胸だ」
意地悪な笑みと共に、私の右手をムギュっと握り返した。
幾度となく、恋はしてきたけれど。
今思えば、上辺ばかりのおままごとみたいなもので。
全ては、西野さんに出会うための序章に過ぎなかったのかもしれない。