うそつき執事の優しいキス
新校舎と繋がる渡り廊下の上で、とうとう、わたし取り囲まれちゃった。
な……なんか、朝より人数増えてない?
たじたじと、後ろに後差ずれば、ごん、と壁にぶつかってさらにヒトの輪が狭まってくる。
こっちに向かってやって来るヒトたちは、みんなにこにこと笑ってたけど……すごく怖い。
わたしの相手ばかりじゃなく、一人、一人が他の部活のヒトに出し抜かれまいと、必死なんだ。
この緊張感だけでも、死にそう。
しかも、集まってる集団に打ち合わせも、司会も無く。
皆が口々に勝手に希望を言ってくるから、あっという間に収拾がつかなくなった。
「西園寺さん」
「西園寺さん!」
一杯名前を呼ばれて、是非、ウチの部に来て、なんてお願いされて。
でもわたし、何にも出来なくて……っ!
誰の言葉にもこたえられずに、目をぎゅっとつぶった時だった。
すぐ近くで、がおんっ! っていう獣の咆哮を聞いたような気がした。
「おら! 西園寺理紗はオレサマが預かったって、言ったはずだよな!?
聞けねぇヤツは、マジで潰すぞ!」
聞き覚えのある、元気な声にそっと片目を開けると……
そこに、神無崎さんがいた。
な……なんか、朝より人数増えてない?
たじたじと、後ろに後差ずれば、ごん、と壁にぶつかってさらにヒトの輪が狭まってくる。
こっちに向かってやって来るヒトたちは、みんなにこにこと笑ってたけど……すごく怖い。
わたしの相手ばかりじゃなく、一人、一人が他の部活のヒトに出し抜かれまいと、必死なんだ。
この緊張感だけでも、死にそう。
しかも、集まってる集団に打ち合わせも、司会も無く。
皆が口々に勝手に希望を言ってくるから、あっという間に収拾がつかなくなった。
「西園寺さん」
「西園寺さん!」
一杯名前を呼ばれて、是非、ウチの部に来て、なんてお願いされて。
でもわたし、何にも出来なくて……っ!
誰の言葉にもこたえられずに、目をぎゅっとつぶった時だった。
すぐ近くで、がおんっ! っていう獣の咆哮を聞いたような気がした。
「おら! 西園寺理紗はオレサマが預かったって、言ったはずだよな!?
聞けねぇヤツは、マジで潰すぞ!」
聞き覚えのある、元気な声にそっと片目を開けると……
そこに、神無崎さんがいた。