うそつき執事の優しいキス
 すると、神無崎さんは、笑って言った。


「きのう、学校で演奏したじゃねぇ?
 そのあと、オレら二人揃って軽音部室にいたら、入部希望者と、新しくCards soldierのファンになったヤツでごったがえしちまってな~~
 収拾がつかねぇから、今日はもう二人とも帰れって軽音部部長に泣きつかれたんだ」


「……あれ? 神無崎さんは、軽音部でも部長じゃないんですか?」


 ダイヤモンド・キングな神無崎さんが、誰かの下に着くっていう感じが全くしない。


 皆の上に立って、げらげらげら~~って大笑いしているのが、一番似合うのに。


 首を傾げたわたしに、神無崎さんが胸を張る。   


「さすがに、生徒会長やってるからな~~
 予算出す時不公平にならないように、生徒会執行部は部長の兼任ができねぇんだ。
 でも、実質、軽音支配しているのはオレサマだぜ!」


 軽音部長はCards soldierのべースを担当しているらしい。


 ぜんぜん目立たなかったけど!


 昨日の助っ人? の中に、本当にひとりメンバーが混じっていたんだ。


 うう。


 やっぱりフツーの生徒じゃ、宗樹と神無崎さんの前にかすんじゃうんだ……
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