うそつき執事の優しいキス
「何か一つのコトをやり遂げようとするには、リーダーがいる。
 定員は、一名。
 これは絶対譲れねぇ」


 ……神無崎さん『自分の彼女』は『だいたい』一名って言ってたのに、こっちはこだわるなぁ。


 それは、どうして? と首をかしげて見れば、神無崎さんは拳骨を握っていた。


「リーダーが二人以上になったら指揮系統が混乱するからだ。
 オレサマは、Cards soldierのリーダで降りる気は全くないが、蔵人はバンド結成の元になった雷威神のリーダーだったろう?
 一つの集団に王サマは二人いらねぇ。
 このまま、フツーに蔵人を仲間に入れたらCards soldierは分解するんじゃねぇの?」


「そ、そんな理由で蔵人先輩を入れないの!?」


 思わず叫んだわたしに、神無崎さんはけっこー重大なコトなんだぞ、と息を吐いた。


「でも、蔵人があれだけ歌えるって判った以上。
 やっぱりメンバーは蔵人、以外ありえねぇのも確かだしな……よし。
 蔵人が、オレサマの下に着くって確約するなら、Cards soldierに入れてやろう」


 う~なんだか、神無崎さん急に偉そう。


 わざわざ言わなくても神無崎さんがリーダーだってみんな判っているのに、ねぇ?
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