うそつき執事の優しいキス
神無崎さん、無謀! って叫ぶ井上さんに、わたしは手を振った。
「確かに『作曲』は出来て無いけど『ヴォーカルが歌う曲』はもうあるし。
ダイヤモンド・キングな神無崎さんや他の助っ人を含めたメンバーがどれだけ上手いかは謎だけど。
宗樹は初見の楽譜でも、ピアノ演奏なら一週間で一応、ヒトに聞かせられる曲の形にはなるって……」
他のヒトビトは追いつかなくても、最低ピアノ&ヴォーカル曲にはなるらしい。
「つくづく、クローバー・ジャックって器用よねぇ」
井上さんは、感心したように息を吐くと、わたしの手をとった。
「じゃあ、こんな所で、のんびりしている暇無いじない!
二週間後の発表を成功させるためにも、一刻も早く新曲を書かなくっちゃね!」
「うん!」
井上さんと手に手を取って、第三音楽準備室に移動する。
教室から出た途端。
一瞬、視線が集まったけれど、うぁっと、集まって来る気配もなく、廊下を歩いてみることができた。
なんて、素適な気分!
入学した最初の一日目以来、人ごみをかきわけるばかりで、周りのヒトや風景を良く見る暇なんて無かったけれど、校舎から海が見える場所もあるんだね。
第三音楽準備室からも、キレイな景色が見えるらしいのに。
一番良い窓際は、もう宗樹と神無崎さんがいて、外を見る余裕もなく、何やら打ち合わせをしているのが見えた。
二週間後の発表に加え……やっぱりわたしの方の用事(マネージメント)って宗樹の負担に……なってるよね?
「確かに『作曲』は出来て無いけど『ヴォーカルが歌う曲』はもうあるし。
ダイヤモンド・キングな神無崎さんや他の助っ人を含めたメンバーがどれだけ上手いかは謎だけど。
宗樹は初見の楽譜でも、ピアノ演奏なら一週間で一応、ヒトに聞かせられる曲の形にはなるって……」
他のヒトビトは追いつかなくても、最低ピアノ&ヴォーカル曲にはなるらしい。
「つくづく、クローバー・ジャックって器用よねぇ」
井上さんは、感心したように息を吐くと、わたしの手をとった。
「じゃあ、こんな所で、のんびりしている暇無いじない!
二週間後の発表を成功させるためにも、一刻も早く新曲を書かなくっちゃね!」
「うん!」
井上さんと手に手を取って、第三音楽準備室に移動する。
教室から出た途端。
一瞬、視線が集まったけれど、うぁっと、集まって来る気配もなく、廊下を歩いてみることができた。
なんて、素適な気分!
入学した最初の一日目以来、人ごみをかきわけるばかりで、周りのヒトや風景を良く見る暇なんて無かったけれど、校舎から海が見える場所もあるんだね。
第三音楽準備室からも、キレイな景色が見えるらしいのに。
一番良い窓際は、もう宗樹と神無崎さんがいて、外を見る余裕もなく、何やら打ち合わせをしているのが見えた。
二週間後の発表に加え……やっぱりわたしの方の用事(マネージメント)って宗樹の負担に……なってるよね?