うそつき執事の優しいキス
「あっ! いえいえ大丈夫です!
確かに、そんなに簡単な曲にはならないと思いますけど!
大好きな曲なので、全く苦じゃないです!」
「理紗の好きなのは僕の歌、だけ?」
「……えっ!?」
困った顔の天使が目を細めると、ちらっと腹黒悪魔な顔になったような気がした。
何かの見間違いかと見なおせば、蔵人さんは天使と悪魔の中間な顔をして笑う。
「歌だけじゃなく。
僕本人も好きになって欲しいな、なんて。
言ったら困る?」
えっ! ええっと、それって……
朝。
宗樹も言ってたよね?
蔵人さんの歌ってる気持ちの全部が、わたしの方を向いてるって。
しかも、この歌。
歌詞が無いくせに、誰がどー聞いても、ラブソングで……って!
なんか、判りやすい蔵人さんの想いを、わざと無視しているような気がしてイヤ~~
ピアノの前に座って、指慣らしを始めようかと思っていたわたしには、蔵人さんから、逃げる場所なんて、ない。
困って身をすくませていると、突然、蔵人さんの頭の上で、べしっと紙の束が打ちつけられる音がした。
見上げると、神無崎さんが何かの資料の束で、蔵人さんの頭を殴ろうとし……寸前、蔵人さんがそれを手で払ったみたい。
確かに、そんなに簡単な曲にはならないと思いますけど!
大好きな曲なので、全く苦じゃないです!」
「理紗の好きなのは僕の歌、だけ?」
「……えっ!?」
困った顔の天使が目を細めると、ちらっと腹黒悪魔な顔になったような気がした。
何かの見間違いかと見なおせば、蔵人さんは天使と悪魔の中間な顔をして笑う。
「歌だけじゃなく。
僕本人も好きになって欲しいな、なんて。
言ったら困る?」
えっ! ええっと、それって……
朝。
宗樹も言ってたよね?
蔵人さんの歌ってる気持ちの全部が、わたしの方を向いてるって。
しかも、この歌。
歌詞が無いくせに、誰がどー聞いても、ラブソングで……って!
なんか、判りやすい蔵人さんの想いを、わざと無視しているような気がしてイヤ~~
ピアノの前に座って、指慣らしを始めようかと思っていたわたしには、蔵人さんから、逃げる場所なんて、ない。
困って身をすくませていると、突然、蔵人さんの頭の上で、べしっと紙の束が打ちつけられる音がした。
見上げると、神無崎さんが何かの資料の束で、蔵人さんの頭を殴ろうとし……寸前、蔵人さんがそれを手で払ったみたい。