うそつき執事の優しいキス
お嬢さまは、地味子さま?
「はい、これで入学式前のホームルームを終了します。
 何か、質問は?」


 ……と、言ってくれた担任の先生に『オトモダチってどー作ればいいんですか?』って本気で聞きたくなって、ため息出た。


 ……参ったなぁ。




「学校が始まるまで、まだ時間があるから、そこらを散歩して来る」って言って別れた金髪の彼の背中を見送って。


 それからは何事もなく、無事に君去津高校についた。


 ん、で。


 新入生の受け付けを一番最初に終えて指定された教室に入ったのは良かったんだけど……むう。


 電車の初乗車などなど、朝も早くからいろんなことがあり過ぎて、すでにもう、すっかり疲れきり。


 つい、うとうととしちゃったのが、マズかったみたい。


 はっ、と、気がつくと。


 今度めでたく、わたしのクラスになった1年2組はヒトがあふれてた。


 女の子同士が、いくつかグループを作り、所々に集まって、楽しそうにおしゃべりしてる。


 よし、早速どっかに混ざろう、とは思ったんだけど、どーやら同じ中学のコ同士で、固っているみたいだ。


 どこに入ったら良いのやら、全く判らなくなっていた。
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